【非戦の声⑳】「NGOは丸腰で国境を越え、世界中の人々とともに平和な世界を作ることを目指している」名古屋NGOセンター理事長・西井和裕

NGO非戦ネット呼びかけ人
NPO法人名古屋NGOセンター理事長 西井和裕

名古屋NGO非戦ネットセンター理事長 西井和裕

 

名古屋NGOセンターは安保法が参議院で審議中の8月、安保法制2法案に反対する声明を発表しました。また11月には、参議院での強行採決によって安保法が成立したことに対して抗議する声明を発表しました。

二つの声明では、NGOは丸腰で国境を越え、世界中の人々とともに平和な世界を作ることを目指していること。安保法は他国と一緒に戦争をする法律であり、憲法違反であること。イラク戦争では自衛隊の輸送機が米軍の武器を輸送し、私たちは加害者の立場に立ったが、集団的自衛権の行使により、再び加害者となることを望まないこと。自衛隊の武力行使により、海外で働く日本人やNGOの仲間に危険が及ぶことなどを訴えました。

そして、法案審議中の国会周辺、全国津々浦々で湧きあがった名もなき市民たちの「安保法反対」の声は、民主主義が踏みにじられた後の新しい希望につながる可能性を秘めていると謳い、憲法に違反して日本が暴走しようとするとき、それを止めるのは、私たちの権利であり責任であると宣言しました。

集団的自衛権も安保法も、その背後にあるのは、敵を作り、敵の脅威を煽り立て、大衆を操作する思想です。この思想はNGOが基本とする考え方と根本から対立します。私たちは敵を作らず、敵対せず、人を信頼することこそが唯一最善の方法であると考え、市民相互の対話と信頼に基づく社会を目指しています。大衆の不安と不信を基とする法律は、NGOの理想と相いれない危険極まりない法律です。

 

【筆者プロフィール】
1987年より、フィリピン情報センター・ナゴヤ(NCPC)運営委員。フィリピン・バナナ反農薬キャンペーン「バナナから人権へ」、レイテ島パサール銅製錬所の環境汚染調査、セブ島及びボホール島におけるODA影響住民調査に基づく日本政府への政策提言などに携わる。2000年、名古屋NGOセンター理事に就任。2006年より同センター理事長。政策提言で中心的役割を果たし、2000年よりNGO・外務省定期協議会のNGO側委員を務める。現在は同定期協議会ODA政策協議会のNGO側コーディネーターを務めている。2015年5月より(特活)泉京・垂井理事。政策提言担当。NCPCは2015年7月に解散。


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